山梨岡神社は、山梨県笛吹市春日居町鎮目に鎮座する神社です。 古代からの信仰を今に伝える式内社で、旧郷社としての歴史も持っています。神社は御室山の東麓に位置し、 その神聖な雰囲気と美しい自然環境が訪れる人々を魅了しています。
山梨岡神社は甲府盆地北縁、笛吹川支流の平等川右岸に位置します。 神社は大蔵経寺山の東南麓にあり、御室山と呼ばれる尾根筋の山を背景にして東面しています。
近世以降、「日光権現」や「山梨権現」とも呼ばれましたが、明治元年(1868年)に現在の「山梨岡神社」に改称されました。 「御室山」の名は「神霊の籠もる山」を意味し、古代信仰に基づいた名称とされています。
山梨岡神社では、大山祇神(おおやまつみのかみ)、高龗神(たかおかみのかみ)、別雷神(わけいかずちのかみ)の3柱を祀っています。 社伝によれば、これらの神々は崇神天皇の時代に疫病鎮静のために祀られたと言われています。
神社の発祥は御室山を神体とする信仰に遡り、古代の山岳信仰の影響を受けています。 社伝によれば、甲斐国の地名や現在の山梨県の名称の起源とも関わりがあるとされています。
神社の周辺地域は、古墳時代後期から古代にかけての遺跡が多く見られ、 初期の甲斐国府や山梨郡の郡家が存在していたと考えられています。 また、『延喜式神名帳』に記された甲斐国の20社のうち9社が山梨郡内に所在していました。
戦国時代には、甲斐源氏の棟梁である武田氏がこの神社を崇敬し、戦勝祈願のために参拝したと伝えられています。 武田軍の出陣時には、神楽が奉納されるなどの儀式が行われていました。
江戸時代には徳川家からも保護を受け、朱印地や山林の管理が認められていました。 神社の祭礼や神楽もこの時代に整備され、今日まで続けられています。
明治5年(1872年)には郷社に列し、地域の信仰の中心としての役割を果たしています。
毎年4月4日と10月15日に行われる例祭では、「武田信玄出陣の神楽」とも呼ばれる太々神楽が奉納されます。 この神楽は天の岩戸の舞を中心に、24種類の舞が伝承されています。
本殿前には「夔ノ神」と呼ばれる神像が祀られています。この像は笛吹市の指定文化財であり、 山海経に描かれる伝説的な神として知られています。
山梨岡神社はJR中央本線石和温泉駅から車で約10分の場所に位置しています。 駐車場も完備されており、アクセスが便利です。
神社周辺には、大蔵経寺や春日居温泉などの観光スポットがあります。 歴史探訪と温泉旅行を組み合わせたプランがおすすめです。
山梨岡神社は、古代から続く歴史と伝統を今に伝える貴重な神社です。 その豊かな自然環境と由緒ある文化財は、訪れる人々に感動と癒しを与えます。 ぜひ山梨県を訪れた際には、山梨岡神社を訪れてその魅力を感じてみてください。