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景徳院

(けいとくいん)

景徳院は、山梨県甲州市にある曹洞宗の寺院です。山号は天童山、本尊は釈迦如来として知られています。地名から「田野寺」とも呼ばれ、武田勝頼父子および家臣の慰霊のために、徳川家康の命で創建されました。

寺院の立地と背景

甲州市の風光明媚な立地

景徳院は甲州市の南東部、日川渓谷の上流左岸に位置しています。このエリアは甲州街道が通り、日川渓谷の上流には臨済宗寺院の天目山栖雲寺があるなど、歴史と自然が調和する場所です。

景徳院の歴史

武田勝頼の最期と寺院創建

天正10年(1582年)、甲斐国の国主である武田勝頼は織田信長・徳川家康連合軍の侵攻により、郡内領主・小山田信茂を頼って落ち延びる途中、信茂の離反によって天目山で滅亡しました。同年、甲斐国を治めることになった徳川家康が、武田勝頼らの菩提を弔うために景徳院を創建しました。

江戸時代の再興と火災

江戸時代には一時住職不在により衰退しましたが、寛永年間に再興されました。その後、天保年間に火災で主要伽藍を失い、明治時代にも火災が発生しました。それでも地域住民や武田家を慕う人々の支援で再建が続けられました。

経石の発見

2006年、武田勝頼の墓の保存修復作業中に、勝頼の戒名を記した大量の経石が発見されました。この発見は江戸時代中期に行われた供養の痕跡を示しており、地下に埋納施設が存在する可能性があるため、今後の発掘調査が期待されています。

文化財と観光の魅力

景徳院の文化財

景徳院にはいくつかの重要な文化財があります。火災を免れた山門は県指定文化財(建造物)であり、武田勝頼の墓および境内全体が県指定文化財(史跡)に指定されています。また、境内にある桜の木は甲州市指定の天然記念物です。

武田勝頼の墓

武田勝頼の墓は、江戸時代の安永4年(1775年)に建立された供養塔で、勝頼を中心に信勝と北条夫人の墓が両脇に配置されています。この墓には、武田家に関わる歴史を感じられる独特の雰囲気があります。

桜と四季の風景

境内に咲き誇る桜は、甲州市の天然記念物に指定されています。春になると桜が満開となり、多くの観光客が訪れる絶好の撮影スポットとなっています。また、周囲の自然と調和する寺院の佇まいは、四季折々に異なる魅力を放ちます。

観光情報

アクセスと周辺観光地

景徳院は、甲州市内から車や公共交通機関でアクセス可能です。周辺には天目山栖雲寺や甲州街道沿いの観光地もあり、一日を通して歴史探訪が楽しめます。

武田家ゆかりの地を巡る旅

景徳院は「武田家終焉の地」として知られ、甲州市の観光業の中心的な存在です。武田家に関連する史跡や資料館と併せて訪れることで、戦国時代の歴史をより深く知ることができます。

まとめ

景徳院は歴史的な価値と自然美を兼ね備えた寺院です。武田勝頼ゆかりの地として多くの観光客に親しまれています。訪れる際は、その静謐な空間で歴史の重みを感じながら、四季折々の自然の美しさを楽しんでください。

Information

名称
景徳院
(けいとくいん)

勝沼・石和温泉

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