乙女高原は山梨県に位置し、秩父山地の南西部に広がる標高約1,700メートルの高原です。亜高山性高茎植物の草原として、シラカバやダケカンバ、ミズナラ、ブナなどの植物が繁茂し、季節によってさまざまな花が咲き誇ることから、「天然のお花畑」として親しまれています。
初夏にはレンゲツツジやアヤメなどの花が咲き、乙女高原を彩ります。この美しい高原植物の景観は訪れる人々の心を魅了し、観光スポットとしての人気も高まっています。
1951年1月20日には山梨県営の乙女高原スキー場として開設され、多くのスキーヤーが訪れました。しかし、2000年3月に閉鎖され、その後は四季折々の自然を楽しむ観光地として保全が進められています。
乙女高原の自然を次世代へ引き継ぐことを目的に、平成13年に「乙女高原ファンクラブ」が発足しました。このファンクラブはボランティアを中心に草刈りや遊歩道づくりなどの保全活動を行い、美しい自然環境を保つ努力が続けられています。
乙女高原から東に向かう焼山峠や乙女湖にかけては、「乙女高原自然活用地区」に指定され、山梨県が遊歩道や展望台を整備しました。この地区は訪れる人が安全に散策できるよう、観光インフラの整備が進んでいます。
乙女高原へは、中央自動車道の勝沼インターチェンジから車で約60分でアクセス可能です。また、荒川林道(クリスタルライン)には駐車場が完備されており、乙女高原駐車場には約20台、焼山峠には15台の駐車スペースがあります。
JR中央本線の塩山駅からタクシーで焼山峠まで約50分、その後、焼山峠から乙女高原まで林道を徒歩で30分ほどで到着します。タクシーの利用が便利で、塩山駅から焼山峠へ直接アクセスできるため、多くの観光客が利用しています。
乙女高原のふもとには琴川ダムがあり、その貯水池が「乙女湖」と呼ばれています。乙女湖の周辺は散策に適しており、ダム湖の美しい景色とともに、山々の自然を楽しむことができます。
乙女高原では、季節ごとに異なる花々が楽しめます。特に初夏にはレンゲツツジが満開となり、鮮やかな花が一面に広がります。また、秋には紅葉が見ごたえがあり、観光客にとっては一年を通して楽しめるスポットです。
乙女高原に向かう「川上牧丘線」は、冬季に閉鎖されるため、訪問前に開通状況を確認する必要があります。また、11人乗り以上の大型車両の通行は禁止されているため、注意が必要です。
塩山駅北口から焼山峠まではタクシーの利用が便利です。季節によってはタクシーが増便されることもあり、乙女高原へのアクセスがより快適になります。
乙女高原には20台が駐車可能な乙女高原駐車場があり、またかつては「乙女高原グリーンロッジ」という休憩施設も提供されていました。現在は休止中ですが、周辺には訪問者が休息できる場所が用意されています。
焼山峠からは乙女高原への眺望が美しく、登山やトレッキングをする人々に人気があります。この峠からは広大な山並みを見渡せ、自然に囲まれた静かな時間を楽しむことができます。
乙女高原は、春から秋にかけて草花が咲き乱れ、訪れる人々に癒しと驚きを提供します。特に高原ならではの爽やかな空気と豊かな自然環境が、都市部では味わえないリフレッシュ効果をもたらしてくれます。
乙女高原ファンクラブをはじめとする地域住民とボランティア団体の協力で、草原の維持と自然保護が実施されています。彼らの活動によって、乙女高原は未来の世代に引き継がれる貴重な自然遺産となっています。
乙女高原の豊かな自然は、日本国内外の観光客に人気の観光スポットです。山梨県を訪れる際には、ぜひ足を運び、四季折々の花々や自然を堪能してください。