甲斐国分寺は、山梨県笛吹市に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は「護国山」、本尊は薬師如来であり、奈良時代に聖武天皇の詔によって建立された国分寺の後継寺院とされています。
甲斐国分寺は、甲府盆地の東部、金川右岸の扇状地に鎮座しています。現在の寺院は旧国分寺の跡地から南西に移転しており、再建された堂宇がその歴史を伝えています。
笛吹市一宮町国分や東原地域は、古代甲斐国の政治的中心地とされ、多くの遺跡が分布しています。特に奈良・平安時代の遺跡や寺院跡が数多く見つかり、この地域が重要な歴史的役割を果たしていたことが分かります。
甲斐国分寺は、奈良時代に聖武天皇の詔によって建立されました。甲府盆地中央北寄りに位置し、古代甲斐国の国府や国衙と深い関係を持つ重要な寺院でした。
10世紀末から11世紀頃、旧国分寺は宅地化され、荒廃したと考えられています。その後、建長7年(1255年)に焼失し、一時復興されるも再び衰退しました。しかし、戦国時代に武田信玄によって再興され、現在の姿へとつながっています。
現国分寺の北東方、笛吹市一宮町国分に位置する旧境内は国の史跡に指定されています。寺域は南北255m、東西220mの広さで、大官大寺式の伽藍配置を有していました。金堂跡や塔跡が確認され、国分寺の規模と威厳を今に伝えています。
甲斐国分尼寺跡は国分寺跡の北方に位置し、国分尼寺の存在を示す「法寺」と記された土器が発見されています。この地域も10世紀末から11世紀頃には宅地化して荒廃したと考えられています。
現国分寺: 山梨県笛吹市一宮町国分196-1
国分寺跡: 山梨県笛吹市一宮町国分
国分尼寺跡: 山梨県笛吹市一宮町東原
甲斐国分寺は奈良時代から続く歴史的寺院であり、古代から現代に至るまで重要な文化遺産を保持しています。訪れることで、甲斐国の歴史と文化に触れる貴重な体験が得られるでしょう。ぜひ一度足を運んでみてください。