甲州市塩山下小田原上条伝統的建造物群保存地区は、山梨県甲州市に位置する国の重要伝統的建造物群保存地区です。この地区は、甲州市塩山下小田原の一部、約15.1ヘクタールにわたる範囲に広がっています。
上条集落は、江戸時代には畑作を中心とした山村集落として発展しました。しかし、明治時代中期以降、政府の振興策を背景に、集落は養蚕業へと移行しました。この地域の民家には、養蚕を行うために特徴的な建築様式が取り入れられています。
江戸時代に建築された茅葺切妻造の主屋には、屋根前面の中央部を切り上げた「突き上げ屋根」が付加されました。さらに、昭和時代中期までには、棟に越屋根を上げた桟瓦葺切妻造の主屋も建設されました。これらの建造物は、地域独特の形式を持つ民家として、周囲の環境と一体化しながら保存されています。
地形を利用して神仏と村民の生活空間を分ける文化や、観音堂を集会所として利用する習慣は、江戸時代から続く伝統として今なお守られています。
2014年に伝統的建造物群保存地区条例が施行され、2015年には正式に選定申請が行われました。同年7月8日、甲州市塩山下小田原上条地区は、重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この選定は、山梨県内では早川町赤沢地区に次いで2番目のケースです。
地区名称 | 甲州市塩山下小田原上条 |
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種別 | 山村・養蚕集落 |
選定年月日 | 2015年7月8日 |
選定基準 | (3) 伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの |
面積 | 15.1ヘクタール |
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