青楓美術館は、山梨県笛吹市の旧一宮町にある市立美術館です。京都市出身の画家である 津田青楓(1880年-1978年)の作品を専門に展示しています。この美術館は、津田青楓と親交のあった一宮町出身の 歴史研究家・小池唯則によって1974年に設立されました。
小池唯則が私財を投じて開館した青楓美術館は、彼の死後、その娘・節子から一宮町に寄贈されました。その後、町の合併に伴い、笛吹市が 美術館の管理を引き継ぎました。
青楓美術館は、津田青楓の洋画、日本画、デッサン、書など、幅広い作風の作品を所蔵しています。収蔵点数は約700点 (2022年現在)で、春と秋に展示替えが行われています。1階には青楓の代表作である「疾風怒涛」(1932年)が常時展示されており、 彫刻や工芸品、書簡、画具なども見られます。
青楓美術館は、1974年の開館以来、山梨県内で最も古い美術館として知られています。同年には甲州財閥の一人である 河西豊太郎のコレクションを展示した嘯月美術館も開館しましたが、2022年現在、嘯月美術館の営業状況は確認されていません。 そのため、現在も営業を続けている青楓美術館が県内最古の美術館とされています。
2009年、入館者数の減少を理由に笛吹市教育委員会が閉館方針を発表しました。しかし、市の対応に疑問を持った関係者たちが 入館者増加に向けた取り組みを行い、来館者数が増加しました。結果として、市は2010年に存続を決定しました。
笛吹市教育委員会は2022年9月、建物の老朽化やアクセスの問題から、2025年度までに春日居郷土館・小川正子記念館への 統合を計画しました。しかし、統合先での展示環境が不十分であり、貸し出し作品が破損するなどの問題が発生しました。 この計画に地域住民からの反発が起き、署名運動が展開されました。
2024年3月、署名運動で集まった6522名分の署名が市長に提出され、統合計画は再検討されることになり、現在は一時凍結されています。
山梨県笛吹市一宮町北野呂3-1
中央本線甲府駅より路線バス「勝沼行き」で一宮北小学校前バス停下車、徒歩約7分。中央本線勝沼ぶどう郷駅からも利用可能です。
中央自動車道勝沼ICより約15分。