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金剛山 慈眼寺

(こんごうさん じげんじ)

慈眼寺は、山梨県笛吹市一宮町末木にある真言宗智山派の寺院です。山号は「金剛山」、本尊は千手観世音菩薩とされています。慈眼寺は歴史的建造物が多く残る寺院で、江戸時代前期の本堂や鐘楼門、庫裏などが現存しており、重要文化財に指定されています。また、甲斐百八霊場の第38番札所にもなっています。

慈眼寺の歴史

中興と戦国時代の関わり

慈眼寺の伝承によれば、文明年間(1469年 - 1486年)に宥日(ゆうにち)によって中興されたといいます。その後、慈眼寺は武田氏の戦勝祈願所として重要な役割を果たしました。しかし、1582年(天正10年)3月、織田信長・徳川家康勢の攻撃を受けて寺院が焼失してしまいます。

焼失後、宥真(ゆうしん)という僧により再建が進められ、現在の建物はこの再興時に建てられたものです。特に武田勝頼が、慈眼寺の僧である尊長(そんちょう)に対して遺品と金子を託し、高野山の引導院に送り届けるよう依頼したとされる逸話が有名です。このエピソードは、慈眼寺が武田家と深い縁を持つ寺院であったことを物語っています。

文化財としての慈眼寺

重要文化財に指定された建造物

慈眼寺には、江戸時代前期に建てられた以下の建造物が現存しており、いずれも重要文化財に指定されています。

本堂

本堂は、中央に仏間を設け、その両脇に座敷を配置した「方丈型建築」です。改造がほとんど行われておらず、当時の建設当初の姿が良好に保たれています。この建築様式は、江戸時代初期の寺院建築の特徴をよく示しており、歴史的価値が高いとされています。

鐘楼門

鐘楼門は、一間一戸の入母屋造楼門建築で、小規模ながら全体のバランスや細部の意匠に見るべきものがあります。この建物は、寺院の入口としての役割を果たしつつ、その美しさで訪れる人々を迎えます。

庫裏

庫裏は茅葺屋根で構成され、内部の一部に改造が見られるものの、全体的に保存状態が良好です。特に、構造的には古い形式を保っており、当時の建築技術を伝える貴重な建物です。

慈眼寺へのアクセス

慈眼寺は、山梨県笛吹市一宮町末木に位置しています。主要な交通手段については以下をご参照ください。

鉄道でのアクセス

JR中央本線「石和温泉駅」から慈眼寺までは、タクシーで約15分程度の距離にあります。公共交通機関を利用する場合は、石和温泉駅を基点に計画を立てると便利です。

車でのアクセス

中央自動車道「一宮御坂インターチェンジ」から約10分程度で到着します。周辺には駐車場もあるため、自家用車での訪問がしやすい立地です。

周辺観光スポット

浅間神社

慈眼寺の近くには、甲斐国一宮として知られる浅間神社があります。この神社は、山梨県の代表的な神社の一つで、観光客や地元の人々に親しまれています。

甲斐奈神社

甲斐奈神社は、甲斐国の総社の一つとされています。慈眼寺からもアクセスしやすい距離にあり、歴史的な背景を学びながら巡るのに最適です。

慈眼寺訪問のおすすめ時期

慈眼寺は四季折々の風情が楽しめる場所です。特に春には境内の木々が新緑に包まれ、秋には紅葉が見事な景観を作り出します。静かな雰囲気の中で歴史と自然を感じることができるため、観光や散策に訪れるのに適しています。

まとめ

慈眼寺は、歴史的な建造物と深い文化的背景を持つ寺院として、山梨県笛吹市の重要な観光地の一つです。江戸時代前期の建築を今に伝えるその姿は、訪れる人々に感動と学びを提供します。ぜひ足を運び、その魅力を直接感じてみてください。

Information

名称
金剛山 慈眼寺
(こんごうさん じげんじ)

勝沼・石和温泉

山梨県