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根津記念館

(ねづ きねんかん)

根津記念館は、山梨県山梨市に位置する博物館です。この施設は、初代根津嘉一郎の実家を保存・活用するため、2008年(平成20年)10月に開館しました。建物は国の登録有形文化財に指定されています。

根津記念館の概要

根津記念館は、鉄道王として知られる実業家・根津嘉一郎(初代)の生家で、彼の生涯や甲州財閥の歴史的背景に関連する資料が展示されています。建物や庭園には、当時の建築技術や庭園設計が反映されており、観光客や地域住民の憩いの場としても親しまれています。

建物と文化財登録

根津記念館には、以下のような特徴的な建物が含まれており、いずれも国の登録有形文化財に登録されています。

主屋(旧根津家住宅主屋)

1933年(昭和8年)に建設された根津家の主屋は、当時の先進的な建築技術が用いられています。コンクリート基礎やボイラー設備、屋内消火栓、電気配線の埋め込みなど、昭和初期としては画期的な設備が施されており、根津家の中心的な建物です。

長屋門

旧青梅街道に面した長屋門は、正面16間、側面3間と個人宅としては非常に大きな規模です。現在では記念館の入場口として利用されており、訪れる人々を迎え入れています。

土蔵

木造3階建て、高さ10.365mの土蔵は、3階建ての土蔵としては全国的にも珍しい存在です。主屋と連絡しており、現在は根津家に関する資料が展示されています。

庭園と周辺環境

根津記念館の敷地内には、富士山や御坂山地を背景にした美しい庭園が広がっています。庭園を流れる小川には夏季にホタルが飛び交い、訪れる人々に自然の美しさを提供しています。庭園は地域住民にとっても憩いの場として利用されています。

根津嘉一郎の展示内容

根津記念館では、初代根津嘉一郎の生涯や彼が成し遂げた事業に関する資料が展示されています。彼が山梨県下の小学校に寄贈した根津ピアノや、甲州財閥に関する資料も展示され、当時の社会貢献の姿勢が紹介されています。

根津嘉一郎(初代)について

初代根津嘉一郎(1860年8月1日 - 1940年1月4日)は、日本の政治家であり実業家で、根津財閥の創始者でもあります。彼は多くの鉄道敷設や再建事業に関わり、「鉄道王」とも呼ばれました。

生い立ちと来歴

嘉一郎は山梨県山梨市の正徳寺村に生まれ、若くして民権運動や実業に携わりました。1889年に東京へ進出し、若尾逸平や雨宮敬次郎と知り合い、甲州財閥を形成しました。彼は中央本線の敷設や保険業、電灯事業などにも携わり、経済界で大きな影響力を持ちました。

東武鉄道への貢献

1905年、嘉一郎は東武鉄道の社長に就任し、経営再建に取り組みました。路線の延長や対等合併などを推進し、東武鉄道の発展に貢献しました。

教育と社会貢献

嘉一郎は「社会から得た利益は社会に還元する」という信念を持ち、教育事業にも力を入れました。1922年に旧制武蔵高等学校(現・武蔵大学および武蔵中学校・高等学校)を創立し、後進の育成に尽力しました。

茶人としての一面

嘉一郎は茶道に親しみ、「青山」と号して多くの茶道具や古美術を収集しました。茶会は単なる趣味にとどまらず、情報交換の場としても利用され、彼の社交術の一環でした。

交通アクセスと周辺施設

根津記念館へのアクセスは以下の通りです。

交通アクセス

周辺の観光スポット

まとめ

根津記念館は、根津嘉一郎の功績や山梨の歴史、文化を学べる施設として多くの人々に親しまれています。彼の多岐にわたる業績や、社会貢献への姿勢が感じられる展示は、訪れる人々にとって貴重な学びの場となっています。

Information

名称
根津記念館
(ねづ きねんかん)

勝沼・石和温泉

山梨県