山梨県 » 勝沼・石和温泉

美和神社(笛吹市)

(みわ じんじゃ)

美和神社は、山梨県笛吹市に鎮座する由緒ある神社です。古代甲斐国の二宮として崇敬を集め、歴史や文化財の面でも重要な役割を果たしています。

概要

所在地と立地

美和神社は、甲府盆地東部の笛吹市二ノ宮地区に位置しています。古代には、甲斐国の前期国府が笛吹市春日居町に置かれたとされ、その後、御坂町に移転したと考えられています。
周辺には古墳時代の遺跡や集落跡が点在し、国衙(こくが)に関連する史跡も多く見られます。美和神社は里宮としての位置付けで、二ノ宮から東にある尾山地区には山宮として杵衡神社が存在します。

祭神

美和神社の祭神は大物主命(おおものぬしのかみ)で、大和国の大神神社から勧請されたと伝えられています。

歴史

創建と由緒

美和神社は、奈良県の大神神社から勧請された後、尾上郷の杵衡神社を経て、現在の二ノ宮に遷座されたとされています。
その起源は景行天皇の時代、甲斐国造の塩海足尼が勧請を行ったと伝えられ、『甲斐国社記・寺記』や『甲斐国志』に記録されています。

平安時代

初見史料は『日本三代実録』の863年(貞観5年)6月8日条に登場し、美和神社が従五位に叙せられたことが記されています。平安時代には一条天皇から二宮の号を与えられました。

中世と武田氏の崇敬

中世には甲斐守護の武田氏から深い崇敬を受けました。例えば、1557年(弘治3年)には武田信玄が条目を下し、勤番役を免除されました。また、1573年(元亀4年)には武田勝頼が武運長久を祈願しました。

近世

武田氏滅亡後は、1582年(天正10年)に織田信長から、1583年(天正11年)に徳川家康から禁制が下されました。その後、豊臣系大名や徳川家による社領の寄進も受けています。

文化財

重要文化財(国指定)

山梨県指定文化財

神事

湯立神事

美和神社の湯立神事は毎年2月8日に行われる伝統行事で、猿田彦の祈祷舞が伴います。この神事は県内で唯一現存する湯立神事で、参拝者に湯をかける儀式が特徴です。

太々神楽

春期例祭では、神楽保存会の会員によって20種の舞が披露されます。神楽の演目には「剣の舞」や「天岩戸の舞」などがあり、江戸時代中期に再興されたものとされています。

地域と美和神社

美和神社は地域の歴史と文化を象徴する存在であり、古代から現代に至るまでその重要性を保っています。文化財や神事を通じて、神社の伝統を次世代へと引き継いでいます。

Information

名称
美和神社(笛吹市)
(みわ じんじゃ)

勝沼・石和温泉

山梨県