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万力公園

(まんりき こうえん)

万力公園は、山梨県山梨市万力にある都市公園(総合公園)で、山梨市により維持管理されています。地元では「根津公園」とも呼ばれ、地域住民や観光客に親しまれています。

地理・歴史

万力公園は、甲府盆地の北東に位置し、山梨市を南北に流れる笛吹川の中流域右岸にあります。標高はおよそ330 - 350mで、奥秩父山塊の甲武信ヶ岳と国師岳を水源とする笛吹川が流れるこの地は、かつて度重なる洪水被害に見舞われました。

武田信玄の時代の防水対策

戦国時代、この地を治めていた武田信玄が洪水から地域を守るために、防水林として赤松を植えたと伝えられています。また、同時期に「雁行堤防(霞堤)」も築かれ、その一部は現在でも残されています。この防水林は「万力林」と呼ばれるようになり、のちに都市公園として整備され、「万力公園」となりました。

公園の名前の由来

「万力」という地名には、防水林や堤防を造った先人たちが「万人の力を合わせて強固な堤を築き守る」という願いが込められています。14ヘクタールの敷地には、赤松を中心とした雑木林が広がり、平坦な地形にもかかわらず、耕地や宅地化されずに防水林として長年維持されています。

自然豊かな環境

万力公園は、甲府盆地本来の植生が残る貴重な自然環境です。防水林として長期間にわたり人為的な手が加えられなかったため、豊かな雑木林が広がっています。春には新緑が美しく、秋にはモミジやさまざまな紅葉・黄葉が楽しめます。また、6月中旬頃には園内を流れる小川にホタルが飛び交い、多くの人がホタル観賞に訪れます。さらに、全域が鳥獣保護区に指定されています。

施設・アクティビティ

万力公園には、家族連れが楽しめるさまざまな施設やアクティビティが用意されています。

ちどり湖

公園の北端には、笛吹川の水を引いた人造湖「ちどり湖」があり、ボートや釣りが楽しめます。湖から流れ出す小川は、園内の雑木林を流れ、散策の場としても人気です。

ふれあい動物広場

ふれあい動物広場には、約20種類の動物が飼育されており、カピバラ、アライグマ、マーラ、シカ、フラミンゴ、クジャク、シマリス、ウサギ、サル、ヤギなどに出会えます。家族で楽しむことができるこの広場は、子供にも大人気です。

その他の施設

万葉の森と万葉集

万力公園は、「万葉の森」とも呼ばれ、万葉集に詠まれた植物が園内に多く自生しています。平成5年に整備された「万葉の森」では、万葉集の歌碑が設置されており、訪れる人々に古代の和歌と自然の美しさを楽しんでもらえるようになっています。

『令和』とのつながり

新元号「令和」は、万葉集巻五の梅花の歌三十二首の導入部分「令月にして気淑く風和ぎ」から引用されました。この公園には、その三十二首の一つ「わが園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも(大伴旅人)」の歌碑も設置されており、『令和』の由来とも深い縁があります。

万葉植物と歌碑

園内には、万葉集に詠まれた植物が自生しており、松や梅、すみれ、彼岸花など、四季折々の花々が楽しめます。また、これらの植物に関連する歌碑が点在しており、古代日本の自然観や文化に触れることができます。広大な敷地を巡りながら、万葉歌碑を見つける散策は訪れる人々にとって心和む体験となるでしょう。

イベント

万力公園では、毎年6月に「万葉うたまつり」と「ホタル観賞会」が開催されます。このイベントでは、園内のホタルを楽しむとともに、万葉集の歌を通じて日本の古典文化に親しむ機会が提供されています。また、4月上旬には桜が見ごろを迎え、多くの花見客で賑わいます。

園内施設の利用案内

万力公園は年中無休で、入園は無料です。ただし、一部の施設については利用日時や料金が異なるため、事前に確認が必要です。

利用可能な施設と料金

アクセス情報

万力公園へのアクセス方法は以下の通りです。

周辺観光スポット

万力公園周辺には、次のような観光スポットがあります。

以上が万力公園の概要です。豊かな自然環境と歴史を感じるこの公園は、訪れる人々にとって憩いの場となることでしょう。

Information

名称
万力公園
(まんりき こうえん)

勝沼・石和温泉

山梨県