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大菩薩峠

(だいぼさつとうげ)

絶景と歴史が息づく山梨の名峠

大菩薩峠は、山梨県甲州市と小菅村の境に位置する標高1,897mの峠で、日本百名山のひとつである大菩薩嶺の南方約2kmの場所にあります。なだらかな稜線と雄大な景色で知られ、登山初心者からベテランまで多くの人に親しまれている人気の登山・ハイキングスポットです。

新緑や高山植物、紅葉、そして富士山や南アルプスの大パノラマなど、四季を通して美しい自然を楽しめることから、山梨県を代表する自然景勝地のひとつとして知られています。

四季折々の自然が楽しめる大菩薩峠

大菩薩峠の魅力のひとつは、季節ごとに異なる自然の美しさを楽しめることです。春から夏にかけては新緑が山を覆い、爽やかな空気の中でのハイキングが楽しめます。特に夏には、船の錨のような形の花びらを持つハナイカリや、赤みを帯びた黄色の花が車輪のように見えるコウリンカなど、可憐な高山植物が咲き誇ります。

秋になると山全体が赤や黄色に色づき、澄んだ青空とのコントラストが美しい紅葉の名所となります。例年10月中旬から下旬にかけてが紅葉の見頃で、多くの登山客や観光客が訪れます。

また、樹林帯を抜けて稜線に出ると、富士山、南アルプス、甲府盆地を一望できる絶景が広がり、大菩薩峠の最大の魅力ともいえる壮大な景観を楽しむことができます。

大菩薩峠の名前の由来と伝説

「大菩薩」という名前の由来にはいくつかの説があります。平安時代の武将源義光(新羅三郎)が峠を越える際、八幡大菩薩に祈願したことから名付けられたという説や、上萩原にある神部神社に由来するという説などがあります。

また、昔この峠に位の高い僧が菩薩像を埋め、水が湧き出て峠の東西に流れる川になったという伝説もあります。この水は東へ流れて多摩川、西へ流れて笛吹川になったと伝えられています。

さらに、峠にはかつて妙見大菩薩が祀られていたともいわれ、古くから信仰の対象となっていた場所でもありました。

歴史の道としての大菩薩峠

大菩薩峠は古くから交通の要所として重要な役割を果たしてきました。江戸時代までは、武蔵国と甲斐国を結ぶ青梅街道の重要な峠であり、物資輸送や人々の往来に利用されていました。米や塩、木材などの生活物資もこの峠を越えて運ばれていたといわれています。

しかし明治時代に柳沢峠を通る新しい道路が開かれると、交通の中心はそちらへ移り、大菩薩峠は次第に交通路としての役割を終えました。その後は景勝地や登山ルートとして整備され、現在では観光や登山の名所として多くの人が訪れる場所となっています。

文学の舞台として有名な大菩薩峠

大菩薩峠は、作家中里介山の未完の大河小説『大菩薩峠』の舞台としても広く知られています。この作品は1913年から1944年まで新聞に連載され、多くの読者に親しまれました。

作品の舞台となったことで大菩薩峠の名前は全国に知られるようになり、峠には記念碑も建てられています。現在でも毎年「介山祭」が開催され、文学と歴史の地としての側面も持っています。

初心者にも人気のハイキングコース

大菩薩峠は標高が高い山ですが、稜線がなだらかで登山道もよく整備されているため、登山初心者や家族連れにも人気の山です。登山口はいくつかありますが、特に利用者が多いのは上日川峠登山口からのルートで、比較的短時間で稜線に出ることができます。

登山道には道標が整備されているため迷いにくく、途中には福ちゃん荘やロッヂ長兵衛、介山荘などの山小屋もあり、食事や休憩を取ることができます。豚汁や味噌田楽などの温かい料理を楽しめる山小屋もあり、登山の楽しみのひとつとなっています。

登山後に楽しみたい温泉

大菩薩峠登山の後にぜひ立ち寄りたいのが温泉施設です。登山で疲れた体を温泉で癒す時間は格別です。周辺にはアルカリ性の良質な温泉があり、肌がすべすべになる「美肌の湯」としても知られています。

やまと天目山温泉

標高約1,000mの渓流沿いにある温泉施設で、自然に囲まれた静かな環境の中でゆっくりと温泉を楽しむことができます。アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果があるとされています。露天風呂やジェットバスなどもあり、登山後の疲れを癒すのに最適な温泉です。

大菩薩の湯

大菩薩嶺の裾野に湧く高アルカリ性温泉で、pH10以上という非常に高いアルカリ性を誇る名湯です。露天風呂からは南アルプスの山々を望むことができ、自然の景色を楽しみながら入浴することができます。施設内には食堂や地元農産物の直売コーナーもあり、観光の休憩にもおすすめです。

アクセス情報

大菩薩峠へのアクセスは公共交通機関でも可能です。JR中央本線の甲斐大和駅や塩山駅から登山口行きのバスが運行されており、登山口まで比較的アクセスしやすい山としても知られています。

また、中央自動車道勝沼ICから車で約40分で上日川峠まで行くことができるため、車でのアクセスも便利です。

自然・歴史・絶景を楽しめる名峠

大菩薩峠は、美しい自然景観、歴史ある街道、文学の舞台、そして初心者でも登れる登山コースなど、多くの魅力を持つ場所です。富士山や南アルプスを望む大パノラマは訪れた人に大きな感動を与えてくれます。

四季折々の景色を楽しみながら、歴史や文学に思いを馳せ、登山やハイキング、温泉まで満喫できる大菩薩峠は、山梨県を代表する自然観光地のひとつといえるでしょう。

Information

名称
大菩薩峠
(だいぼさつとうげ)

勝沼・石和温泉

山梨県