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信玄の湯 湯村温泉

(しんげん ゆ ゆむら おんせん)

信玄の湯 湯村温泉は、山梨県甲府市に位置する温泉地です。もとは「湯村温泉」と呼ばれていましたが、2021年に武田信玄の生誕500周年を記念して「信玄の湯 湯村温泉」に改称されました。温泉街には古くからの歴史があり、温泉と周辺の名所を楽しむ観光地として知られています。

温泉の概要と泉質

泉質:信玄の湯 湯村温泉の泉質はナトリウム・カルシウム - 塩化物泉、硫酸塩泉などがあり、弱アルカリ性の高温泉です。平均pH値は8.24で、伝導率は2862.1μs/cmとなっています。源泉は12箇所あり、平均湧出温度は40.8℃、湧出量は毎分966.3リットルです。近年、常磐ホテル源泉のみ湧出量が若干増加したものの、他の源泉では温度や湧出量の低下が見られます。

温泉街の特色

湯村温泉街は甲府駅の北西部に位置し、周辺には旅館やホテルが点在しています。各宿泊施設では、宿泊者向けに湯巡りを楽しむための手形が発行されています。ただし、2022年以降は新型コロナウイルスの影響で日帰り入浴を休止している施設もあるため、事前確認が推奨されています。また、2024年現在、共同浴場は存在せず、かつて一軒あった共同浴場も取り壊されています。

歴史的な遺跡と観光名所

湯村温泉の背後にそびえる湯村山には、武田信虎の時代から利用されていた「湯村山城」の跡があります。遊歩道が整備され、散策しながら城跡を訪れることができます。山頂には、2006年に烽火台(狼煙台)が再建されましたが、2012年に老朽化で一度取り壊され、2022年秋に再々建が完了しました。

周辺の名所

温泉の歴史

信玄の湯 湯村温泉には、弘法大師(空海)が808年に発見したとする説や、鷲が傷を癒していたところを地元の村人が見つけたという伝説が残されています。江戸時代には、後陽成天皇の第八皇子である良純入道親王がこの地に住んでいたと伝えられ、湯治場としての歴史も深い温泉です。

戦国時代と武田信玄

『甲陽軍鑑』によれば、戦国時代の1511年、武田晴信(信玄)は村上義清との戦いの後、この地で30日間湯治を行ったとされています。また、武田家の足軽大将・多田三八郎が天狗退治を行った「鬼の湯伝説」も残されています。

文人たちとの関わり

江戸時代後期には、浮世絵師・葛飾北斎が湯村温泉の風景を『勝景奇覧 甲州湯村』として団扇絵に描きました。明治時代以降も、井伏鱒二や太宰治、松本清張など多くの文人や画家が訪れ、温泉地の風情を楽しんでいました。

近年の再開発計画

近年、湯村温泉は宿泊客の減少や経営難の影響を受け、旅館やホテルの廃業が相次いでいます。これを受けて、2022年に温泉街の再開発計画が立ち上がり、新会社「甲府観光開発株式会社」が設立されました。再開発計画には、湯村温泉入口から塩澤寺までのエリアを4つに分け、日本庭園やカフェ、散策路の整備が含まれています。2024年11月には、金精軒が運営する「湯村金精軒Café」がオープンしました。

アクセス

Information

名称
信玄の湯 湯村温泉
(しんげん ゆ ゆむら おんせん)

甲府

山梨県