山梨県や静岡県には、古来よりお盆の時期のお供え物として、もちにきなこと黒蜜をかけた”安倍川もち”を使う風習があり、これにヒントを得てうまれたのが甲州銘菓”桔梗信玄餅”だ。弾力のあるもちの食感、きなこの香ばしさ、黒蜜の滑らかな舌ざわりが絶妙のバランスで、素朴な味ながらも飽きのこないおいしさ。その伝統の味を守り続けてきた職人の技と誇りが、”桔梗信玄餅”を代表的な山梨みやげにまで成長させたようだ。全国各地にも同じようなお菓子はあるが、姿形を真似ただけでは成し得ない不朽の銘菓といえる。
山梨県笛吹市にある桔梗屋が1968年(昭和43年)から作っているお土産菓子です。
2つのもちを一枚の不織布風の包みで包んだり、25個入りの化粧箱入りなど、いくつかの種類があります。8個入りは布袋(巾着)に入っています。お菓子自体は、発泡ポリスチレンの容器にきな粉と求肥が3切れずつ入っており、別に添えられた黒蜜をかけて食べるスタイルです。
名前の由来と起源
名前の「信玄」は戦国時代の甲斐国主で、山梨県の象徴的な人物である武田信玄に因んでいます。このお菓子のアイデアは、この地域の夏の盆の時期に、仏壇に供えるために使われていた「安倍川もち」からきています。黒蜜の特有の舌触りともちから作られたこのお菓子は、そのルーツを大切にしています。