日本でワインの製造が始まったのは、明治時代の3~4年頃とされています。この時、甲府市の熱心な有志たちが「文明開化はワインから」という合い言葉のもと、ワイン醸造に取り組みました。
山梨県内には約90のワイナリーが存在し、そのうち半数以上が一般の人々が見学したり、ワインの醸造工程を学んだり、試飲を楽しむことができる施設を提供しています。
現在、甲州ワインは生産量・品質ともに国産ワインの中でトップクラスに位置しています。世界的にも高く評価されるワインを数多く醸造しており、その品質の向上が続いています。
甲州ワイン
日本特有のぶどう品種「甲州種」を用いて醸造されるものです。このワインは、さっぱりとした口当たりと爽やかな風味が特徴で、多くの人々を引き込んでいます。和食との相性も抜群で、気取らず楽しめるワインとして幅広い人気を集めています。
日本ワインの源流は甲府
日本でのワイン醸造は、1870年(明治3年)に2人の日本人によって甲府でスタートしました。日本酒の醸造技術を活用してワインづくりに取り組みました。甲府は、昼夜の温度差が大きく、日照時間が長い盆地の気候と、傾斜地が多い土地柄が特徴です。この環境はぶどう栽培に適しており、地元固有のぶどう品種である甲州種を使って、日本国内で初めて国産ワインが生み出されました。現在では甲府市内には個性的な4つのワイナリーが存在し、さっぱりとした上品な「甲州ワイン」をはじめ、地元のぶどうを使用した多彩なワインが製造されています。
日本ワイン
「日本ワイン」とは、国内で栽培されたぶどうを100%使用して国内で醸造されるワインのことです。日本の風土と気候が育んだぶどうを使用したワインは、爽やかな香りと穏やかな酸味が特徴で、和食との相性が良いとされています。
「国産ワイン」とは、海外からのぶどうや果汁を使って国内で醸造されるワインを指します。2015年には、日本国内のワインブランド力向上を目指すためのワイン法が制定され、「日本ワイン」と「国産ワイン」が区別されました。
国際的な評価も高い「甲州ワイン」
「甲州種」は、ワインの国際審査機関であるOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)によって初めてワイン用のぶどう品種として認定されました。その高品質なぶどうから生まれる「甲州ワイン」は、フルーティーな香りとすっきりとした飲みごたえがあり、製法によって多彩な味わいが楽しめます。「シュール・リー」は、ワインと澱(おり)を結びつけることで深みのある辛口の甲州ワインを生み出し、「小樽仕込み」はオークの風味が感じられる濃厚な味わいです。果皮や種子を醸造に使用する「グリ」は、赤ワインのような渋みが特徴で、最近では「オレンジワイン」としても注目を浴びています。これらの製法は、甲州種ならではの繊細な風味を引き立てており、和食との相性も抜群です。現在、「甲州ワイン」は国際ワインコンクールで多くの賞を受賞しており、その品質の高さが世界でも認められています。