甲斐市は、山梨県北西部の国中地方に位置する人口約7万5千人の都市で、県内で2番目に人口が多い市です。甲府市に次ぐ都市で、市章は旧三町を表現する三枚の葉を組み合わせ、頭文字の「K」とハートの形をデザインしています。甲斐市には、豊かな自然と歴史的な名所が多く点在しており、訪れる人々に多彩な観光体験を提供しています。
甲斐市には、歴史的な背景を持つ寺院や神社が数多くあり、文化的・歴史的な価値が高い建造物や自然景観が見どころです。
光照寺は、甲斐市にある歴史ある寺院で、その建造物や庭園が市内の文化財として知られています。
慈照寺は、室町時代の1489年(延徳元年)に開山された曹洞宗の禅宗寺院です。江戸時代の1639年(寛永16年)には山門が建立され、現在も歴史的な建造物として大切に保存されています。
常説寺は、地域に根付いた寺院で、多くの参拝者に親しまれています。
称念寺は、静かな環境にある寺院で、その穏やかな佇まいが訪れる人々に癒しを与えます。
天沢寺も、歴史を感じさせる寺院で、地元の人々や観光客に訪れる場となっています。
妙善寺は、鎌倉時代末期の1333年(元弘3年、正慶2年)に開山された臨済宗妙心寺派の寺院です。甲斐市指定の天然記念物である妙善寺の榧の木や、甲斐市指定の有形文化財である本堂内厨子が見どころとなっています。また、妙善寺には枯山水庭園(甲斐市指定名勝)があり、美しい日本庭園の景観を楽しむことができます。
妙善寺の境内には、甲斐市指定史跡である安倍加賀守勝宝の墓があり、歴史を感じさせる場所です。
羅漢寺もまた、地域で歴史的に重要な寺院として知られています。
三社神社は、地域に愛される神社で、多くの参拝者が訪れます。
諏訪大神社は、自然に囲まれた神社で、その静かな環境が魅力です。
山縣神社は、地元の歴史と深い関わりを持つ神社です。
松尾神社は、地域の守り神として信仰されており、参拝者が絶えません。
甲斐市には、豊かな自然や歴史的な観光スポットが点在しています。
釜無川沿いには、戦国時代に武田信玄が治水のために17年を費やして築いた「信玄堤」があります。現在、「信玄堤公園」として整備されており、歴史的な治水工事の跡を訪れることができます。
甲斐市の最北端に位置する茅ヶ岳は、標高1704mの山で、作家で登山家の深田久弥が登山中にこの地で亡くなったことから、登山愛好家に「深田終焉の地」として親しまれています。多くの登山者が彼を偲びながら、この山を訪れます。
日本神話において、日本武尊(ヤマトタケル)が東征からの帰路に剣を残したという伝説が伝えられる山で、信仰の対象となっています。
甲斐市には「梅の里」があり、春には美しい梅の花が咲き乱れ、多くの花見客が訪れます。
甲府市に位置する御岳昇仙峡は、甲斐市からのアクセスもよく、美しい渓谷美を楽しむことができるスポットとして人気です。
甲斐市周辺にはいくつかのワイナリーがあり、ワインの製造や試飲が楽しめます。
敷島醸造では、地域の特色を活かしたワインが製造されており、見学ツアーもあります。
サントリー登美の丘ワイナリーは、広大なブドウ畑とともに、ワインの試飲や製造工程の見学が楽しめる施設です。
シャトレーゼベルフォーレワイナリーでは、地元のブドウを使用したワインが楽しめます。
山口温泉は、地元住民や観光客に人気の温泉で、疲れた体を癒すことができます。
名取温泉は、地域に密着した温泉で、リラックスしたひとときを過ごせます。
玉川温泉もまた、甲斐市内の人気の温泉スポットです。
神の湯温泉は、地元で評判の高い温泉で、心身ともにリフレッシュできるスポットです。
湯めみの丘は、眺めの良い温泉施設で、訪れる人々に癒しを提供しています。
甲斐市には、季節ごとのイベントや、地元の特産品が豊富に揃っています。
下福沢道祖神祭は、地域の守り神である道祖神を祀るお祭りで、地元住民が集まり盛大に行われます。
御幸祭は、地元で「おみゆきさん」と親しまれるお祭りで、伝統的な儀式や催し物が行われます。
柳荘大弐学問祭は、学問の神様を祀るお祭りで、学業成就を祈願する人々が集います。
大久保太太神楽は、地域の伝統芸能で、神楽の舞が奉納されるイベントです。
甲斐市には、地元の特色を活かした名産品や特産物があります。
やはたいも(八幡芋) - 甲斐市の特産品で、甘みと粘りが特徴の芋です。
甲州ワインビーフ - 地元で飼育されたワインを与えた牛肉で、柔らかく風味が豊かです。
赤坂とまと - 甘味と酸味のバランスが良い、甲斐市産のトマトです。
桑の実ジャム - 地元の桑の実を使ったジャムで、自然の甘みが楽しめます。
芋焼酎「大弐」 - 八幡芋を原料にした焼酎で、地元の伝統的な味わいです。
梅ジャム - 甲斐市の梅を使った、さっぱりとした風味のジャムです。
卵 - 地元で採れた新鮮な卵で、料理に使いやすい品質です。
甲斐の桑茶・パウダー - 地元の桑の葉を使った健康茶やパウダーで、栄養価が高いです。
甲斐市は山梨県のほぼ中央に位置し、甲府盆地の中西部から北寄りに広がっています。東側では県庁所在地の甲府市と隣接し、JR中央本線や国道20号で連絡されています。甲府市のベッドタウンとして人口が増加しており、北西部の旧双葉町地域は韮崎市と、釜無川を隔てた南西部では南アルプス市と接しています。さらに、南部は中巨摩郡昭和町、北部は山岳地帯を通じて北杜市とも隣接しています。
甲斐市の地形は北部が森林資源豊かな山岳地帯で、南部は釜無川の左岸に展開する平野部です。市街地はこの平野部に広がり、生活や商業の中心となっています。
甲斐市内を流れる主要な川は、富士川水系荒川と釜無川です。
「甲斐市」という市名は、山梨県の旧国名である「甲斐国」に由来します。しかし、甲斐市が歴史的に「甲斐」の中心地であったわけではありません。また、甲府市、山梨市、甲州市などの類似した名称の市が県内に並立しており、紛らわしいとの指摘もあります。
甲斐市は長い歴史を持ち、縄文時代から現代に至るまで多くの時代を経て発展してきました。
竜王地区や敷島地区には、亀沢川流域に縄文時代の遺跡が数多く分布しており、古くから人々が生活していたことが分かります。
弥生時代になると、甲斐市南部に位置する金の尾遺跡は、県内でも代表的な集落遺跡として知られています。
敷島地区には古墳時代の遺跡が多く、天狗沢瓦窯跡は仏教文化の浸透を示す遺跡として注目されています。また、赤坂台古墳群は古墳時代後期に築かれ、盆地北西部の勢力を示しています。
平安時代には、皇室領の八条院領篠原荘の一部として篠原地区が含まれていました。
中世には、甲斐市の地域が信濃国へ至る穂坂路の一部として重要な役割を果たしました。戦国時代には、甲斐国を治めていた武田氏によって釜無川の治水が進められ、信玄堤が築かれました。
江戸時代には甲斐市内で新田開発が行われ、農業が発展しました。また、養蚕や甲州煙草の栽培も広まり、甲州街道沿いの地域では宿場町としての役割も果たしました。
近代には農業と養蚕が中心の農村でしたが、戦後になると甲府市の郊外としての宅地化や商業地域化が進み、工業団地の造成や情報通信産業の誘致も行われました。
甲斐市には、観光や自然を楽しめるスポットが点在しています。
2000年に完成した赤坂台総合公園は、市民の憩いの場として親しまれています。広々とした芝生広場や遊具、スポーツ施設が整備されており、子供から大人まで楽しめるスポットです。
2006年にオープンした玉幡公園は、遊具やスポーツ施設が充実しており、家族連れやスポーツ愛好家に人気の場所です。
信玄堤は戦国時代に武田信玄が釜無川の治水のために築いた堤防で、歴史的な景観を楽しむことができます。
神明神社には樹齢1000年を超える大ケヤキがあり、訪れる人々に圧倒的な存在感を示しています。
甲斐市は鉄道や道路網が整備されており、アクセスが便利です。
甲斐市を走るJR中央本線は、首都圏や名古屋方面へのアクセスを支えています。市内には竜王駅と塩崎駅があり、通勤・通学に利用されています。
市内には国道20号が通り、甲府市や韮崎市と連絡しています。また、中央自動車道が南部を横断しており、甲府昭和インターチェンジが最寄りのインターです。
甲斐市では、観光地や名産品、温泉などの魅力が詰まっており、訪れる人々に充実した体験を提供しています。豊かな自然と歴史ある文化に触れることで、特別なひとときを過ごすことができるでしょう。