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甲府温泉

(こうふ おんせん)

甲府温泉は、山梨県甲府市にある温泉地です。歴史ある温泉であり、甲府市街の中心部に位置するため、官公庁や繁華街に囲まれた独自の雰囲気が楽しめます。

温泉の概要

甲府温泉は温泉宿やシティホテル、ビジネスホテルが立ち並ぶエリアに位置し、多くの宿泊施設が温泉浴場を備えています。温泉街としての雰囲気は薄いものの、駅からのアクセスが良いため、観光やビジネスで訪れる人々にとって利便性の高い温泉です。

泉質と泉温

泉質:弱アルカリ性炭酸水素塩泉

泉温:46℃

甲府温泉の湯は肌に優しい泉質で、疲労回復や肌の健康にも効果があると言われています。46℃の湯温で、体を芯から温めることができるのが特徴です。

源泉と供給

現在の源泉は、1965年にホテル談露館など近隣旅館8軒が共同で掘削したものです。ホテル談露館の敷地内に源泉があり、ここから各温泉宿へと分湯されています。

甲府温泉の歴史

江戸時代からの温泉の記録

甲府市街はもともと温泉が湧出しやすい地域とされており、江戸時代には甲府城の築城時に周辺で温泉が湧いたという記録も残っています。歴史の古い地域であり、古くから温泉と共に発展してきました。

甲府温泉の開湯

甲府温泉が開湯したのは、1879年(明治12年)に遡ります。自由民権運動家である小田切謙明が甲府城の掘り近くで「海州温泉」として温泉を開いたことが始まりとされています。

昭和時代の温泉発展

1934年(昭和9年)には湯村温泉付近で新たな源泉が発見され、これを機に甲府市中心部でも温泉の掘削が進み、次々と旅館が建設されました。当時の甲府は温泉地としても賑わいを見せており、吉田初三郎の描いた「泉都甲府」には南アルプスを背景に甲府城周辺で温泉の湯気が立ち上る様子が描かれています。

戦後の復興と現在の温泉街

第二次世界大戦中の甲府空襲によって、多くの温泉旅館は焼失しましたが、戦後も温泉は湧出し続けており、露天風呂として開放されました。その後、復興を経て現在の甲府温泉街が形成されました。

温泉街の特徴

甲府温泉街は、甲府市の中心部にある丸の内地区と中央地区に位置しています。周辺は官公庁街および繁華街となっており、従来の温泉街のような情緒ある風景はあまり見られませんが、シティホテルやビジネスホテルが多く、利便性に優れた都市型温泉街となっています。

都市型温泉の魅力

甲府温泉の特徴の一つは、県庁所在地の主要駅前繁華街に温泉宿がある点です。同様の都市型温泉としては、鳥取市の鳥取温泉が挙げられます。これらの温泉は、既存の繁華街や官公庁街の中に温泉が湧出したことにより、都市の一部として機能しています。

他の都市型温泉との比較

甲府温泉のように県庁所在地の繁華街に温泉がある例として、松江市の松江しんじ湖温泉、松山市の道後温泉、山口市の湯田温泉などがあります。これらは温泉が湧出した後に周辺が繁華街へと発展していったものであり、温泉街から都市へと発展していく過程を辿りました。一方で、甲府温泉や鳥取温泉は、既に繁華街が形成されている中で温泉が湧出したため、やや異なる発展経路を持つ温泉です。

アクセス

甲府温泉は交通アクセスも良好で、中央本線甲府駅から徒歩10分ほどでアクセス可能です。このため、観光やビジネスの合間に温泉でくつろぐことができる便利なロケーションとなっています。

観光情報と周辺施設

周辺の観光地

甲府温泉周辺には、甲府城や甲斐善光寺などの観光名所が点在しています。歴史的な観光地とともに、温泉の湯に浸かりながら甲府の魅力を満喫することができます。

宿泊施設と温泉体験

甲府温泉周辺には、多くの宿泊施設が揃っており、それぞれが特色ある温泉体験を提供しています。ホテル談露館をはじめとした温泉宿では、甲府温泉ならではの温かい湯を楽しむことができ、旅行者や地元の人々に親しまれています。

まとめ

甲府温泉は、歴史ある温泉地であり、甲府市街の中心部に位置する都市型温泉としての利便性が魅力です。江戸時代からの温泉の歴史や昭和時代の温泉開発を経て、現在はビジネスや観光の拠点として利用されています。甲府温泉の湯は肌に優しく、温かみのある癒しの湯として多くの人に親しまれています。ぜひ甲府を訪れた際は、温泉でくつろぎながら地域の魅力に触れてみてください。

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名称
甲府温泉
(こうふ おんせん)

甲府

山梨県