山梨県 » 清里・小淵沢

身曾岐神社

(みそぎ じんじゃ)

身曾岐神社は、山梨県北杜市小淵沢町上笹尾に位置する神社であり、古神道を基盤とする神聖な場所です。この神社では、天照太神(あまてらすおおみかみ)および天徳地徳乍身曾岐自在神(てんのとくちのとくひつぐみそぎかむながらのかみ、井上正鐵)を祭神としています。神社の宮司は坂田安儀氏が務めており、山梨県知事の所轄で単立宗教法人として運営されています。

創建と歴史

1985年(昭和60年)に教派神道のひとつである禊教(みそぎきょう)の教主・管長である坂田安儀氏によって創建されました。身曽岐神社を中心に、禊教本部聖地として「高天原」が制定され、その後、禊教本部は東京都世田谷区瀬田に移されました。2004年(平成16年)には宗教法人「かむながらのみち」の所有となり、現在もその管理のもとで運営されています。

身曾岐神社の施設

能楽殿と境内の建造物

境内の敷地は約4万坪に及び、多くの建物が点在しています。その主な建物には、唯一神明造の本殿をはじめ、火祥殿、水祥殿、瑞松宮(ずいしょうぐう)、能楽殿、光臨館、養生館(お休み処)などが含まれます。これらの建造物は、訪れる人々に神聖な空間と安らぎを提供し、神社全体の荘厳な雰囲気を醸し出しています。

主要施設

祭神と神事

祭神

身曾岐神社では、太陽神である天照太神と、天徳地徳乍身曽岐自在神(井上正鐵)を主祭神として祀っています。これらの神は、日本古来の神道における神聖な存在であり、神社の神域を守護しています。

年間行事

身曾岐神社では、年間を通じてさまざまな祭事が執り行われています。以下は主な祭事の一覧です。

正月の行事

春の行事

夏の行事

秋の行事

冬の行事

月次祭

毎月の祭事も大切にされており、以下のような月次祭が行われます。

ゆずのライブと挙式

身曾岐神社は2006年以降、人気音楽グループ「ゆず」が境内にある能楽殿でライブを開催することで広く知られるようになりました。2008年には「素晴らしきこの世界」というタイトルでライブ映像が通信販売限定DVDとしてリリースされています。また、2011年10月20日には、ゆずの北川悠仁とフリーアナウンサーの高島彩がこの神社で挙式を行い、多くの注目を集めました。

CM撮影地としての能楽殿

2017年には、通信会社「au」のCM「夏のトビラ・英雄だけの夏」篇のロケ地として、境内の能楽殿が使用されました。このことにより、神社はさらに多くの人々に知られるようになりました。

井上正鐵とその教え

井上正鐵(いのうえ まさかね)は、寛政2年(1790年)に上野国館林藩士の子として江戸に生まれた神道家であり、禊教の教祖として知られています。白川伯王家で神道の奥義を学び、のちに独自の教えを広めました。彼の思想は門人たちに受け継がれ、禊教の基盤となりました。

井上正鐵の生涯と功績

正鐵は1834年に京都の白川伯王家に入門し、伯家神道を修めました。その後、神職としての許状や祝詞、祓いの奥旨皆伝を受け、江戸に戻り、梅田神明宮の神職として活動を開始します。1841年には邪教の嫌疑をかけられ投獄されましたが、1843年には三宅島に流され、そこで没しました。

禊教の起源

正鐵の思想は、明治維新後に門人である坂田鉄安らによってまとめられ、教派神道「禊教」として発展しました。正鐵の教えは、飢饉時に人々を救おうとした「一飯を捧げる」運動を始めとする救済活動にも表れています。

正鐵の遺した詩

三宅島での生活中、正鐵は釣りを楽しみ、釣りにまつわる詩をいくつか残しています。その詩の中には、彼の禊に対する思いが表現されており、身曾岐神社の精神的支柱となっています。

Information

名称
身曾岐神社
(みそぎ じんじゃ)

清里・小淵沢

山梨県