吐竜の滝は、山梨県北杜市大泉町西井出に位置する美しい滝です。この滝は川俣川渓谷にあり、落差10メートル、幅15メートルのスケールを誇ります。標高1250メートルに位置し、澄んだ冷たい水が特徴の潜流瀑です。
八ヶ岳南東麓にある吐竜の滝は、溶岩層を通じて湧き出る地下水が流れ落ちることで形成されました。湧水量は年間を通じて一定で、水質も清らかで冷涼です。一帯は「川俣東沢渓谷自然観察園」として整備されており、豊かな自然の中で滝を楽しむことができます。
吐竜の滝はその美しさから多くのメディアに取り上げられ、特に2002年にはNHKの大河ドラマ「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」のオープニング映像にも使用されました。この滝はその映像美で観光客を惹きつけています。
吐竜の滝へのアクセスは、中央自動車道の長坂インターチェンジから車で約30分です。県道32号経由で清里高原有料道路方面へ進むことで到達できます。
清里高原(きよさとこうげん)は、山梨県北杜市高根町に広がる高原で、八ヶ岳の南東麓に位置しています。観光地としても広く知られ、遠くに富士山を望む絶景が広がります。
「清里」という地名は、1875年(明治8年)に誕生した清里村に由来します。当初は「樫山」という大字名でしたが、1964年(昭和39年)に「清里」に改められました。「清里高原」という観光地名が浸透し、現在は山梨県北杜市高根町清里として正式な地名となっています。
清里高原は広大な八ヶ岳の裾野に広がり、標高が高いため気候変動が激しい地域です。この地域は1935年(昭和10年)に東京都西部の入植者によって開拓され、清里駅を中心に観光地として発展しました。
1970年代から1980年代にかけて、清里高原は女性誌『an・an』や『non-no』に頻繁に取り上げられ、通称「アンノン族」が訪れるブームが起こりました。この影響で多くのペンションや店舗が開業し、観光客が増加しましたが、バブル崩壊後には観光客が減少し、駅前の店舗も相次いで閉鎖されました。
今日の清里高原は、夏には避暑地、冬にはスキー場としての利用が主流です。また、八ヶ岳登山の拠点としても多くの人に利用されています。清里高原は観光客にとって、季節ごとに異なる楽しみを提供しています。
清里高原には、キリスト教の宣教師ポール・ラッシュによって設立されたキープ協会が運営する「清泉寮」や「キープ農場」があります。これらの施設は「清里開拓の父」とも称されるポール・ラッシュの理念に基づき、自然と人間の共生をテーマに活動を続けています。
「萌木の村」は、工芸家のギャラリーやレストラン、ショップが集まるエリアで、観光名所のひとつです。ここでは、自然に囲まれた環境でさまざまなアートや工芸品を楽しむことができます。
清里高原の冬の楽しみといえば、サンメドウズ清里スキー場です。ここでは、八ヶ岳や富士山を背景にスキーやスノーボードを楽しむことができ、多くの観光客に人気のスポットとなっています。
地ビール「八ヶ岳ビール タッチダウン」が提供される「八ヶ岳ブルワリー」は、清里高原でのもうひとつの魅力的なスポットです。ここでは、地元の水を使用した独自のビールが味わえます。
清里高原はJR小海線の清里駅を中心に広がっています。清里駅には、中央本線の小淵沢駅や、北陸新幹線の佐久平駅からの乗り換えでアクセスすることができます。ただし、佐久平駅からのルートは所要時間が長めです。
清里高原へのアクセスには、中央自動車道に接続する主要なインターチェンジがいくつかあります。
また、国道20号を経由してもアクセス可能ですが、一般道には急坂や急カーブが多く、安全運転が求められます。
山梨県北杜市に位置する吐竜の滝と清里高原は、自然の美しさと観光スポットとしての魅力を併せ持つエリアです。豊かな自然環境、歴史、季節ごとに異なる楽しみが訪れる人々を引き付けており、今もなお多くの観光客が訪れています。清里高原の清泉寮や萌木の村、八ヶ岳ビールなど、訪れるたびに新たな発見があることでしょう。