諏訪神社は、山梨県南アルプス市曲輪田(くるわだ)に位置する神社で、山沿いの集落に鎮座しています。この神社は地元で親しまれ、旧社格は郷社です。
諏訪神社では、武御名方命(たけみなかたのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、および少彦名命(すくなひこなのみこと)を祭神として祀っています。境内には複数の境内社があり、周囲は農村公園として整備され、特に夏祭りの際には多くの人々が訪れ賑わいを見せます。
『甲斐国志』によると、諏訪神社は17世紀中頃の慶安年間に、徳川家光から朱印社領2石2斗余りと社地940坪を与えられたと伝えられています。また、1873年(明治6年)には郷社に列しました。このように長い歴史を持ち、地元に深く根付いている神社です。
諏訪神社の境内には、以下の境内社が鎮座しています。
諏訪神社には、山梨県指定の文化財があります。
神社に奉納された神像は、1965年(昭和40年)5月13日に山梨県指定の文化財となっています。この神像は室町時代の特徴をよく備えており、衣冠束帯姿で簡素な造りが印象的です。1409年(応永16年)に本殿が再建された際に奉納されたもので、「信心大施主藤原吉光与四郎敬白(略)」と墨書された記録が残されています。
南アルプス市指定の文化財もあり、その一例がエドヒガンザクラです。
1987年(昭和62年)12月1日に指定されたエドヒガン(江戸彼岸)は、境内西方に立ち、地域では「ヒガンザクラ」として親しまれています。樹高15メートル、幹囲2.8メートル、東西16メートルの枝張りがあり、毎年早春には淡紅色の花が咲き誇ります。また、境内東側に立つ紅葉とともに、地域の農作業の目安として大切にされています。
諏訪神社の境内は、春には桜、秋には紅葉と四季折々の自然が楽しめる美しい場所です。特にエドヒガンの桜は地元で広く知られ、春になると訪れる人々の目を楽しませてくれます。広がる淡紅色の花々が一面に咲く様子は圧巻で、境内に立つ紅葉も秋には鮮やかに色づき、神社全体が彩り豊かになります。
諏訪神社では、年中行事が行われ、特に夏には地元の人々が一堂に会する夏祭りが開催されます。この祭りは、神社の歴史と地域の伝統が融合した行事で、参拝者で賑わいます。
諏訪神社の周辺には、同じく歴史ある神社や寺院、また自然豊かなスポットが点在しています。訪れた際には周辺の観光も楽しむことができ、地域全体で古き良き風情を感じられるでしょう。
諏訪神社からほど近い韮崎市には、武田八幡宮があります。こちらも歴史ある神社で、訪れる際に立ち寄ることができます。
また、南アルプス市内には穂見神社もあり、諏訪神社とともに地域の信仰の拠点として知られています。
諏訪神社へは、車や公共交通機関を利用してアクセス可能です。周辺には駐車場もあるため、車でのアクセスが便利です。また、農村公園としても整備されているため、のんびりと散策しながら自然を楽しむことができます。
諏訪神社は、歴史的な背景と自然豊かな環境が調和した神社で、地域の信仰の中心として愛されています。美しいエドヒガンザクラや紅葉が見られる境内は、四季折々の風景を楽しむことができ、訪れる人々を魅了しています。ぜひ、歴史と自然に触れながら、諏訪神社を訪れてみてください。