市川三郷町大塚地区では、土壌が深くきめ細やかで、石が無い肥沃な土地のことを「のっぷい」と言う。この栄養分豊富な「のっぷい」に育てられた大塚にんじんは、濃い鮮紅色で独特の風味と甘さが特徴。品種は国分鮮紅大長(こくぶん せんこう おおなが)と呼ばれるもので、群馬県高崎市の国分地区で育成され、全国に広まったものである。国分鮮紅大長は通常では長さが最大60cm程だが、大塚地区では収穫時には、80cm~120cmにもなる太くて長いにんじんだ。以前から栽培されていたが、野菜から果樹に転換する農家が増え、昭和30年代を境に作付面積が減少。近年は、地域の特産野菜の見直しで、徐々に栽培面積が増えている。通常のにんじんと比べ、カロチンは1.5倍、ビタミンB2は3倍、ビタミンCは2.3倍と栄養も豊富だ。
食材としてはそのまま調理し、炊き込みご飯や味噌汁の具材として使用されるほか、乳酸発酵させてジュースとしても出荷されている。ジュースはECサイトや山梨県内の中央高速道路のSA・SAでも販売されている。
旬 11月