牛倉神社は、山梨県上野原市にある歴史の古い神社で、毎年9月に行われる例大祭は「郡内三大祭り」の一つとして知られています。国道20号線(甲州街道)沿いに位置し、上野原の歴史や文化、地域の人々の信仰と深く関わってきた神社です。観光で上野原を訪れた際には、歴史ある神社の静かな雰囲気と、秋の大祭のにぎわいの両方を感じることができる場所です。
牛倉神社の創建された年代ははっきりとは分かっていませんが、奈良時代に編纂された『和名抄』という古い書物には、「古郡の里に幸燈明神」という記録があり、古くからこの地域に神社があったことが分かっています。古い時代から地域の人々の信仰を集めてきた神社であることがうかがえます。
神社の名前の由来には言い伝えがあり、昔この土地には「ウシ」と呼ばれる神様がいて、税として集めた米などを倉に納めていたといわれています。その後、日本武尊(ヤマトタケル)が東国を平定した際に、その倉の跡地に神社を建てたことから「牛倉神社」という名前になったと伝えられています。
また、牛倉神社は「天王森(てんのうもり)」という愛称でも呼ばれ、地域の人々に親しまれてきました。戦国時代や江戸時代には社殿の改築や修理が行われ、現在まで大切に守られてきた歴史ある神社です。
牛倉神社で最も有名なのが、毎年9月の第1土曜日から月曜日までの3日間に行われる牛倉神社例大祭です。この祭りは、吉田の火祭、谷村の八朔祭と並び「郡内三大祭り」と呼ばれ、郡内地方を代表する大きなお祭りとして知られています。
このお祭りは、スサノオノミコトなど農耕に関係する五神に、秋の実りへの感謝を捧げる祭りで、昔から地域の人々に大切にされてきました。毎年多くの人が訪れ、上野原の秋を代表する行事となっています。
祭りの初日には、上野原の各地区から数十基の神輿が集まり、町の中を練り歩きます。神輿を担ぐ人々の掛け声が響き、町全体が活気に包まれます。沿道には多くの見物客が集まり、上野原の町が一年で最もにぎわう日ともいわれています。
2日目には新町と本町の山車が巡行し、夕方に山車同士がすれ違う場面が祭りの見どころとなっています。この時間帯が祭りの最高潮で、多くの人々が集まり大変なにぎわいになります。
また、笛や太鼓による祭り囃子に合わせて、獅子やヒョットコが踊る伝統芸能も披露されます。これらの祭り囃子は上野原市の無形文化財にも指定されており、地域の大切な文化として受け継がれています。
祭りの2日目と3日目には神社の境内に多くの出店が並び、食べ物や遊びの店でにぎわいます。子どもから大人まで楽しめるお祭りで、地域の人々だけでなく近隣の地域からも多くの人が訪れます。
牛倉神社の境内には「撫で牛」と呼ばれる牛の石像があります。この牛の像は、自分の体の悪いところと同じ場所を撫でると良くなるといわれており、多くの参拝者が撫でていきます。観光で訪れた際には、健康祈願として撫でてみるのもよいでしょう。
鳥居をくぐると、本殿や拝殿があり、外のにぎやかな道路沿いとは違って、境内には静かで落ち着いた空気が流れています。歴史ある建物や木々に囲まれ、ゆっくりと参拝することができます。
牛倉神社は、JR中央本線上野原駅から徒歩15~20分ほどの場所にあります。また、中央自動車道上野原インターチェンジから車で約5分とアクセスしやすく、観光の途中にも立ち寄りやすい場所にあります。甲州街道沿いにあるため、歴史ある街道の雰囲気を感じながら訪れることができます。
牛倉神社は、古い歴史を持つ神社であるとともに、郡内三大祭りの一つである例大祭で知られる上野原を代表する神社です。普段は静かで落ち着いた雰囲気の神社ですが、9月の例大祭では多くの神輿や山車が集まり、町全体が活気にあふれます。
上野原を訪れた際には、歴史ある神社の静かな雰囲気を感じながら参拝し、もし時期が合えば例大祭のにぎやかな様子も体験してみるとよいでしょう。牛倉神社は、上野原の歴史、文化、そして地域の人々の信仰を今に伝える大切な場所です。