山梨県 » 河口湖・富士吉田

吉田のうどん

(よしだ)

富士山の湧き水で作られる、 ハレの日に食べる吉田市のうどん

硬く非常にコシが強い麺を味噌かしょうゆ、またはあわせたもので作ったつゆに、にんじん、ゆでキャベツ、ごぼう、油揚げ、馬肉などを具として食す吉田うどん。吉田市近郊では、気候的、風土的に稲作が難しく雑穀栽培とともに水掛麦と呼ばれる農法で麦が栽培されてきた。そのため日常的には野菜を多く使ったほうとうを、祭りなどのハレの日には麦を多く使ったうどんが食べられてきた。現在も、富士吉田市内に60軒以上のうどん屋が存在し、観光客が多く訪れる。

「吉田のうどん」はびっくりするような歯ごたえとコシ、太さのある小麦粉の麺を、味噌や醤油など出汁のきいた汁で食べる富士吉田市周辺の郷土料理である。富士山北麓の富士吉田市は標高700~900mほどの冷涼な気候、火山灰土の地質により昔から稲の栽培には不向きだった。代わりに小麦、大麦、蕎麦のほか雑穀などを栽培し、合わせて粉物の食文化が進んでいった。また、昭和初期、富士吉田では繊維業が盛んで、織物の機械を動かす女性が、昼食の準備で作業が止まらないように、また、絹糸を触る手が荒れないようにと、行商担当の男性たちが昼食にうどんをつくるようになったといわれる。男性たちは腹持ちの良いうどんをと力強く練るため、歯ごたえ、コシが特徴となったという。山梨県の郷土料理として「ほうとう」が有名であるが「吉田のうどん」もまた昔から親しまれているため、現在では富士吉田市周辺に限らず、山梨県の名物としても名高い。

主な伝承地域:富士吉田市
主な使用食材:中力粉、味噌、醤油、出汁、キャベツなど

Information

名称
吉田のうどん
(よしだ)

河口湖・富士吉田

山梨県