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酒まんじゅう

(酒饅頭 さかまんじゅう)

甲州街道の商人たちに愛された上野原の名物

酒まんじゅうは、山梨県上野原市に古くから伝わる郷土菓子で、ほんのりと酒の香りがする生地とやさしい甘さのあんが特徴のまんじゅうです。かつて甲州街道の宿場町として栄えた上野原では、多くの商人や旅人が行き交い、その人々に愛された味として現在まで受け継がれてきました。素朴で飽きのこない味わいは、今でも上野原を代表する名物の一つとして知られています。

甲州街道と酒まんじゅうの歴史

昔の上野原は、甲州街道の宿場町「上野原宿」として栄え、江戸と甲州を行き来する商人や旅人で大変にぎわっていました。また、この地域は甲斐絹(かいき)と呼ばれる織物の産地でもあり、市が開かれると多くの商人が集まり、絹の取引が盛んに行われていました。

酒まんじゅうは、この市に集まった商人や旅人にとても人気があり、その美味しさは口コミで広まりました。当時は酒まんじゅうの店の前に長い行列ができ、売り切れてしまうことも多かったといわれています。こうして酒まんじゅうは上野原の名物として広く知られるようになりました。

酒まんじゅうの特徴

上野原の酒まんじゅうは、小麦粉の生地に麹から作った甘酒を混ぜて発酵させて作るのが特徴です。一般的なまんじゅうとは違い、自然の発酵の力を利用して生地を作るため、ほんのりとお酒の香りがするやわらかい生地になります。

原料には、地元で収穫された小麦粉や小豆、そして米と米麹から作る甘酒が使われています。また、長寿の里として知られる棡原の水が使われることもあり、上野原の自然環境が酒まんじゅうの美味しさを支えているといわれています。

甲州街道沿いに並ぶ酒まんじゅうの店

現在でも旧上野原宿周辺の甲州街道沿いには、酒まんじゅうを販売する店がいくつもあります。創業100年以上の老舗の店もあり、昔ながらの製法で酒まんじゅうを作り続けています。

酒まんじゅうの中身は、定番の小豆あんだけでなく、おかか入りの甘味噌、高菜、鮭など、店によってさまざまな種類があります。それぞれの店で味が異なるため、食べ比べをしながら街を散策するのも上野原観光の楽しみの一つです。

酒まんじゅうの作り方

酒種づくりから始まる伝統製法

酒まんじゅう作りは、まず「酒種(さかだね)」と呼ばれる発酵液を作るところから始まります。炊いたご飯に米麹と水を混ぜ、一定の温度で発酵させると、甘い香りのするどぶろくのような状態になります。これを濾して液体にしたものが酒種です。

この酒種に小麦粉を加えてこね、生地を発酵させます。生地が発酵すると小さな穴ができ、ふんわりとした生地になります。その後、生地を小さく分けてあんを包み、さらに発酵させてから蒸し上げて完成します。

老舗の店では、毎日新しく作った酒種を、代々受け継がれてきた酒種に継ぎ足して使う伝統的な方法が守られています。

地域の行事と酒まんじゅう

上野原では、酒まんじゅうはお祭りや祝い事、来客のおもてなしなど、特別な日に欠かせない食べ物でした。小麦の栽培が盛んだったこの地域では、小麦粉を使った食文化が発達しており、酒まんじゅうはその代表的な食べ物でした。

現在でも地域の行事やイベントなどで酒まんじゅうが販売されることがあり、多くの人に親しまれています。

酒まんじゅうの食べ方

酒まんじゅうは、できたてをそのまま食べるのが最も美味しいとされています。自然発酵の生地のため、時間が経つと少し硬くなりますが、その場合は蒸し直すと再びやわらかくなります。

また、衣をつけて揚げた「揚げまんじゅう」として食べることもあり、外はサクサク、中はふんわりとした違った美味しさを楽しむことができます。

郷土食としての継承

酒まんじゅうは上野原の大切な郷土食として、次の世代へ伝える活動も行われています。料理教室や郷土料理講習会などが開催され、家庭でも作れるように伝統の味を守る取り組みが続けられています。

また、まんじゅう店では新しい味の商品開発なども行われ、伝統を守りながら新しい魅力も生み出されています。

まとめ

酒まんじゅうは、甲州街道の宿場町として栄えた上野原の歴史とともに発展してきた郷土菓子です。商人や旅人に愛された味は、現在でも上野原の名物として多くの人に親しまれています。

上野原を訪れた際には、甲州街道の歴史ある町並みを歩きながら、酒まんじゅうを食べ歩きしてみるのもおすすめです。素朴でやさしい味わいの酒まんじゅうは、旅の思い出をより深いものにしてくれるでしょう。

Information

名称
酒まんじゅう
(酒饅頭 さかまんじゅう)

河口湖・富士吉田

山梨県