上野原の大ケヤキは、山梨県上野原市にある国指定の天然記念物で、上野原市立上野原小学校の校庭に生育している巨大なケヤキの木です。推定樹齢800年以上といわれ、長い歴史の中で地域の人々や子どもたちを見守り続けてきた象徴的な存在です。現在では上野原を代表する観光スポットの一つとなっており、多くの人がこの巨木を見に訪れます。
上野原の大ケヤキは、樹高約28メートル、目通り(幹の太さ)約8.64メートル、根回り約10.21メートルという非常に大きな木です。推定樹齢は800年から850年以上とされ、鎌倉時代から現在まで生き続けていることになります。
主幹は地上約4.5メートルの位置で失われていますが、そこから大きな枝が広がり、現在も力強く葉を茂らせています。その姿は非常に迫力があり、実際に近くで見ると自然の偉大さを感じることができます。
現在、大ケヤキは上野原小学校の校庭にありますが、この場所はもともと御岳神社の境内でした。1875年(明治8年)に学校を建設するため神社は別の場所へ移され、境内の土地を整地して校庭が作られました。その際、ケヤキの根元周辺は土で埋め立てられ、幹の下部が数メートル埋まっているといわれています。
そのため、実際の幹の長さは地面の下にも続いており、見えている部分以上に大きな木であると考えられています。
この大ケヤキは長い年月の間に何度も落雷を受け、幹の内部が空洞になってしまいました。空洞になった幹の内部は、昔は子どもたちの遊び場や秘密基地として使われていたこともあったそうです。
しかし、木の内部が腐食し始めたため、1980年代には銅板やウレタンで幹を覆う保護対策が行われました。その後、樹木にとって良くない影響があることが分かり、1993年からは上野原小学校のPTAや地域の人々が中心となって保護活動が始まりました。適切な治療や土壌改良などが行われた結果、木の元気は徐々に回復していきました。
2018年には台風の強風により、大きく伸びていた三本の枝のうち中央の一本が折れてしまう被害がありました。折れた枝は非常に大きく、長さ数十メートル、太さ約50センチもありました。
その後、折れた部分が腐らないように保護処置が行われ、枝を支えるワイヤーの補修や樹勢回復のための治療も行われました。現在も上野原市教育委員会や地域の人々によって、大切に保護活動が続けられています。
上野原の大ケヤキは、その歴史的価値と自然的価値が認められ、1944年(昭和19年)に国の天然記念物に指定されました。800年以上生き続けている木は非常に珍しく、地域の歴史を語る生きた文化財ともいえます。
この木は単なる大きな木ではなく、宿場町として栄えた上野原の歴史や、地域の人々の暮らし、そして子どもたちの思い出を見守ってきた存在なのです。
上野原の大ケヤキは市街地に近く、気軽に訪れることができる観光スポットです。学校の校庭の端にあるため、見学の際は学校や周囲の環境に配慮して静かに見学することが大切です。
巨大な幹や広がる枝を見上げると、その大きさと長い歴史に驚かされます。写真撮影スポットとしても人気があり、上野原を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい場所の一つです。
山梨県上野原市上野原
JR中央本線上野原駅から車で約10分の場所にあります。市街地から近いため、観光やドライブの途中でも訪れやすいスポットです。
上野原の大ケヤキは、800年以上の歴史を持つ国指定天然記念物の巨木であり、上野原市のシンボルともいえる存在です。落雷や台風など多くの困難を乗り越え、地域の人々に守られながら現在も力強く生き続けています。
その姿は自然の偉大さと歴史の重みを感じさせてくれるもので、観光で訪れた人にも深い印象を与えてくれるでしょう。上野原を訪れた際には、ぜひこの大ケヤキを見学し、長い年月を生きてきた巨木の迫力を感じてみてください。